(091)月の扉

月の扉 (カッパ・ノベルス)

月の扉 (カッパ・ノベルス)

週明けに国際会議を控え、厳重な警戒下にあった那覇空港で、ハイジャック事件が発生した。三人の犯行グループが、乳幼児を人質に取って乗客の自由を奪ったのだ。彼らの要求はただひとつ、那覇警察署に留置されている彼らの「師匠」石嶺孝志を、空港滑走路まで「連れてくること」だった。緊迫した状況の中、機内のトイレで、乗客の死体が発見された。誰が、なぜ、そしてどのようにして―。スリリングな展開とロジカルな推理!デビュー作『アイルランドの薔薇』をしのぐ「閉鎖状況」ミステリーの荒技が、いま炸裂する。
(「BOOK」データベースより)

とりあえず読了後に少し笑ってしまった。全然笑うような結末じゃないのだけど、たしかに「荒業」だなと。石持浅海作品は初読。密室物の名手ということで久々に密室物を堪能。(館シリーズは密室なのか微妙なとこだが)ハイジャックされた200人を超える旅客機を密室とみたてるという相当心躍る設定。だけどトリック上特に200人いる必要も無い且つ全然描写が無いというね!先にトリックが思い付いたんだろうなと推測。あと2時間も子供を片手に持って普通に会話出来ないだろと思ってたら結構な人が感想ブログとかで同じツッコミを。まぁ、そこらへんの描写だったり動機のぶっ飛びかたはミステリだからあまり重要ではないとは思うが少し後出し的なとこがあったのは気にはなった。と、粗探しをすれば色々あるのだけど純粋に密室ミステリとしては最後まで楽しめた作品ではあるので良し。