(089)占星術殺人事件

占星術殺人事件 (講談社文庫)

占星術殺人事件 (講談社文庫)

1936年2月26日。二・二六事件が発生したその日、猟奇的で難解を極める事件が起きた。画家の梅沢平吉が自宅の密室状態のアトリエで殺された。そして現場に残された遺書には怪奇な内容が記されていた。
それは若い6人の処女からそれぞれの星座に合わせて体の一部分を切り取り、それらを合成して完璧な肉体を持つ女性「アゾート」を作成するというものだった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%A0%E6%98%9F%E8%A1%93%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6

初島田荘司作品且つ初御手洗潔シリーズ。超有名作品ということでかなり期待して読んだ。とりあえずトリックや仕掛けの規模や挑戦的な文章に驚愕。これが時代なのか御手洗潔シリーズだからなのか。そして御手洗潔のキャラクターがあそこまでアウトサイダーだとは思わなかった。歌野晶午作品に出てくるマリファナ吸ってる探偵を少し思い出したけど御手洗潔のほうが先か。トリックも見事に騙された。なんか既視感あると思ったけどwikiにある金田一少年で読んだかな。ホームズは昔好きで読んでたからワトソン的な石岡の存在は嬉しい。名探偵ものといえばやはりワトソン役のセットが個人的には欠かせないと思うのです。事件自体が大正というのもあるだろうけど時代を感じさせない作品だなと思った。言い回しとかも現代でも通用するというか名作というのは大体そういうものだと思う。とはいうもののそれほど手放しで褒めるわけでもなく少しだけ最初の下りや占星術の説明とか読んでて疲れた。あと御手洗と石岡の掛け合い台詞がどっちが話しているか時々分からなくなった。友人同士なのでどちらも言い回しが似ているのと地の文がほぼ無いのが原因だと思われるけど結構最後までそれが引っかかった。とはいうものの昔通ってた高校の地域が出てきたので個人的には名作(笑)あれは驚いた。「斜め屋敷の犯罪」「異邦の騎士」は読んでみたいとは思ってるのだけど図書館にないので買うか他作家の作品読むか悩み中。