(088)追想五断章

追想五断章

追想五断章

五つの物語にひそむ秘密。精緻な本格ミステリ
古書店に居候する芳光は、依頼を受けて五つのリドルストーリーを探し始める。
やがてその著者が、未解決事件の被疑者だったことを知り──。精緻でほろ苦い、大人の本格ミステリ
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-746818-2

安定の米澤作品。円熟の一冊。そして相変わらずビターな結末(笑)ここまで来るとトリックは分からなくても結末は大体予想出来てしまう。リドルストーリーという形式をこの小説で初めて知った。本作では得意の青春小説から少し離れて少し上の層向けのミステリだったとのことだったけど、現実のままならなさを描いている辺りはいつも通りだなと思った。でも米澤作品の主人公というか語り手って悩んでる割にはそれほど暗いイメージが無い気がする。なんでだろう。本筋と関係ないところではバイトの女の子とは何かあるかと思ったらあっさり退職したあたりが少しだけリアルだなと思いました。読み返したくなる作品とまでいかないが米澤作品好きな人なら読んで損しない一冊かと。