(079)時計館の殺人

時計館の殺人 (講談社文庫)

時計館の殺人 (講談社文庫)

大手出版社・稀譚社の新米編集者である江南孝明は、友人であり駆け出しの推理作家でもある鹿谷門実を訪ねる。そこで彼は担当している超常現象を取り扱うオカルト雑誌『CHAOS』の取材のため、2人と因縁のある中村青司の建築した通称「時計館」に行くことを伝える。その館には10年前に死亡した少女の霊が出るという。江南はその霊について取材するため、3日間泊まり込みで霊との交信を行うこととなった。『CHAOS』の副編集長、稀譚社のカメラマン、霊能者、W✽✽大学の超常現象研究会のメンバーらとチームを組み、彼らは「時計館」を訪れる。しかしそこで凄惨な殺人事件が幕を開ける。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%82%E8%A8%88%E9%A4%A8%E3%81%AE%E6%AE%BA%E4%BA%BA

館シリーズの5作目。最初の犠牲者が出るまで遅かったが結果的には犠牲者が過去最高数を記録。正直大本のトリックは読んでる途中で分かった。これは自分がカメラを持っているからだろうか。ただトリックは分かっても、そのトリック解明による今までの複線回収が非常に上手い。素直に感心した。そういう意味では館シリーズで一番の傑作という人が多いのも分かる。この作品に関しては館シリーズを読んでない人でも問題無く面白いと思うけど、隠し通路って初読で受け入れられるんだろうか。そしてやっぱりやっぱり島田潔は危険に晒されることはなかったなと。とりあえず館シリーズはここで一旦読むの終了。ただ、綾辻作品はもう少し読む予定。