(074)変調二人羽織

変調二人羽織 (光文社文庫)

変調二人羽織 (光文社文庫)

東京の夜空に珍しく一羽の鶴が舞った夜、一人の落語家・伊呂八亭破鶴が殺された。舞台となった密室にいたのはいずれも破鶴に恨みを抱く関係者ばかり。捜査で続々と発覚する新事実。そして、衝撃の真相は―。伝説的探偵小説雑誌・幻影城の第三回新人賞を受賞した初期の傑作「変調二人羽織」を含む、読者を唸らせる連城ミステリー傑作五編を収録した永久保存版。
(「BOOK」データベースより)

トリックの詰め合わせ盛り合わせの大サービス。短編なのに一作品内で複数のトリックを盛り込んでいて驚くというよりその過剰さにもはや笑える。いい意味で推理する気がなくなる。サービス精神豊富というかこれがこの作家の特長なんだろう。ほぼデビュー作の作品なのだけど「白光」にも繋がる目まぐるしい世界の変化。流石です。冷静に考えるとトリック自体はかなり突拍子も無い気もするのだけど素直に読めるのは実力だろうか。ミステリ好きにはオススメだけどあまりミステリ読まない人がこれを読んでこれがミステリだと思ったら大変だと思う(笑)