(068)迷路館の殺人

迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)

迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)

推理作家界の巨匠・宮垣葉太郎の還暦の祝賀パーティーに招かれた推理作家、評論家、編集者、そして島田潔。約束の時間を過ぎても現れない宮垣を待っていると、秘書の井野が現れ、宮垣が今朝、自殺したこと、遺書に従い、警察には通報していないことを告げる。宮垣は1本のテープを遺していた。そのテープの内容は、5日後まで、秘書の井野と医師の黒江以外は館を出てはならず、警察に通報してはならない、その5日の間に館に滞在する作家4人は、“迷路館”を舞台とした、自分が被害者となる殺人事件をテーマとした、遺産相続者の審査・選別のための推理小説を執筆しなければならない、最も優れた作品を書いた者に、遺産の半分を相続する権利を与える、というものだった。驚愕しながらも、多額の遺産に目の眩んだ作家たちは各々執筆を始める。だが候補作家たちが次々と、小説の見立てどおりに殺されていく。

館シリーズ3作目。まんまと作者に踊らされた作品。珍しく推理がほとんどが当たって作中作の解決編見てガッツポーズしていたのだけど、エピローグで完全にミスリードされていたことに気付いた。ただ、あれは無理だと思うけど...。せめてもう少しそれらしい名前にしてもらいたかった。ていうか血痕隠蔽も一応可能性として思いついたのだけど流石に無いなと思ってたら正にそれだった。あとトリックが時代を感じさせるものが1つあるのでそれは40overじゃないと無理。解きやすいのか解きにくいのか難しいところ。トリックが過剰気味だけど好きな人は好きかと。自分は結構好きなので楽しめた。あととりあえず3作読んで思ったこととしては島田潔はそろそろ危険にされされてもいい頃だろう。あと、今後も館シリーズは抜け穴前提でいくんだろうか。それとも抜け穴をミスリードにするのか。人形館以降を読むのが楽しみ。