(067)水車館の殺人

水車館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

水車館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

古城を思わせる異形の屋敷「水車館」。 それは一年前の嵐の夜。塔から落ちた一人の女、およそ不可能な状況で消失した一人の男、盗まれた一枚の絵。その事件はひとつの「解決」のうちに葬り去られたはずだった。しかし、探偵・島田潔が訪れたとき、再び惨劇は幕を開ける。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E8%BB%8A%E9%A4%A8%E3%81%AE%E6%AE%BA%E4%BA%BA

館シリーズ2作目。とりあえず感想としては島田潔うざすぎる(笑)十角館の殺人の時には一応出ていたけどそれほど出番は無かったのでそうは思わなかったけど、こうやって探偵役として登場すると首のつっこみ具合がコナンの「アレレー」という白々しいセリフに近いものがある。最近読んでるミステリが00年代の作品や探偵物でない作品が多かったせいか余計そう思うのかもしれない。トリックとしては今となると結構オーソドックスなトリックかもしれないけど普通に騙されました。何か時系列トリック(?)は苦手かもしれない。「慟哭」も全然分からなかったし。まぁしっかり考えれば分かるレベルだとは思う。こういう推理を積極的に楽しめるのは「本格」のいいところ。ただ、動機がトリックほど凝って無いなと思った。余談だけどネタバレ的な話をすると本作に限らずミステリで結構隠蔽の為に自傷行為するケースがあったりするけど実際やるかぁ?っていつも思う。まぁ、自分には怖くて出来ないなぁと思うだけなんだけど...。本作では有栖川有栖が作品の解説と一緒に当時の思い出も一緒に書いていて当時が熱が伝わる文章となっている。こうゆうのを読むともう「十角館の殺人」は良くも悪くもトリック単体だけでは語れない作品だと思う。パンクの名盤を技術だけで評価出来ないものでそれで正しいと思う。