(046)犬なら普通のこと

犬なら普通のこと (ハヤカワ・ミステリワールド)

犬なら普通のこと (ハヤカワ・ミステリワールド)

2009年の「このミス」で5位の本作品。タイトルが作品に合ってて格好いいけど、これ「犬」なくて「猫」だったら気が抜ける。猫あるあるをまとめた作品っぽい。クライムノベルってあまり読んだことが無いジャンル(覚えているのは「奥田英朗」の「最悪」ぐらいだけど内容は忘れた)なのであまり詳しくないのだけど、あまり自分には合わないかもと思った。別に犯罪者が嫌いとかそういうのでは無いけど最後の銃撃戦になるまで何故かそこまでテンション上がらなかった。ぶっちゃけ本作品を読みつつも「悪の教典」を併読していてそちらのほうが面白いのでそう思ってしまったのかも。(でも「悪の教典」もクライムノベルといえばそうなのかもしれないけど...)ただ、描写が下手とかいうのでは無く普通に作品の水準は高いと思うので好きな人にとっては面白いと思う。ただ、少し気になったのは沖縄弁とクライムノベルとの親和性の低さ。舞台が沖縄ということで登場人物の大半が沖縄弁を利用しているのだけど、どんな緊迫した場面でも沖縄弁で凄まれるとその緊迫感が削がれてしまっていたように思う。むしろそのギャップをわざと出しているのか?これは音声化するとまた違うのかもしれない。というより自分が沖縄に行ったことが無いので文章の音声化が上手く出来ないのが原因かもしれないが。全く関係ないけど、本書の超個人的なハイライトは某野球選手が唐突にプレイ内容ではなく容姿で侮辱をされていたこと。言いすぎだと思ったけど少し笑ってしまった。