(030)ミハスの落日

ミハスの落日

ミハスの落日

前に読んだ「慟哭」の作者の短編集。全部海外が舞台となっている作品でタイトルとなっている「ミハスの落日」では自分が昔訪れたことのあるバルセロナが描写されていて少し懐かしい気分になった。短編の一つに復讐物があったのだけど個人的に復讐物って何故か結構好きかもしれないと思った。以前に読んだ「正月鏡殺し」に近いものを感じる。長編ミステリ並みのトリックやどんでん返しを期待すると満足は出来ないかもしれないけど、ミステリ短編としては佳作かと。
因みに『ストックホルムの埋み火』という作品の最後の1行が気になったのだけど全然分からなくてあとで調べたのだけど、これはミステリーファンへのサービスということらしい。これは知っている人は嬉しいだろうなぁ。日本で例えるなら「一」という青年探偵が「ありがとう、耕助祖父さん」と喋るという感じか。