(016)向日葵の咲かない夏

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

犬猫の不審な死体が街中に放置される事件が連続して発生している中、「僕」は欠席していたS君にプリントを届けに行ったが僕が見たのは自殺したS君の姿だった…。
後味が悪いという書評を予め読んで身構え過ぎていたせいか、思ったよりは衝撃は受けなかった。というより想像していたタイプの暗さとは異なるタイプの暗さだった。まぁ、救いようが無いことには変わりないのだけど。個人的にジャンルはミステリというホラーサスペンス寄りという印象。というかあれ初見で推理出来る人いるんだろうか。犯人自体は目星つくとは思うけど、あの設定はミステリなら少々アンフェアな気もする。でも会話を読み返すと当たり前だけどよく出来ているなと思う。中盤の少年探偵物風の展開が今考えると白々しく見えて笑える。暗い話が嫌いでなければかなり面白いんじゃないでしょうか。