(013)慟哭
- 作者: 貫井徳郎
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1999/03/17
- メディア: 文庫
- 購入: 27人 クリック: 1,512回
- この商品を含むブログ (218件) を見る
http://matome.naver.jp/odai/2133542566635805501
幼女誘拐事件を軸に「彼」と「佐伯警視」と2つの視点から交互に物語が紡がれている叙述トリックミステリ。普通に騙された。叙述モノ好きなんだけど毎回騙される。これを良いお客さんと呼ぶ...。とはいえ、かなり分かりやすいしフェアな内容だったと思う。丹念に読み返すと突っ込みどころが結構あるような気もするけど…。いずれにしても最後まで楽しめたので○。
余談だけど普通の小説でも二つ(もしくはそれ以上)の視点で進んでいく作品は結構あるけど、その試みが成功している作品ってあまり無い気がする。個人的に好きじゃないだけかもしれないけど。
余談ついでに個人的には叙述トリックもので一番衝撃を受けたのは上記サイトにもあった「殺戮にいたる病」。本格的な叙述トリックものを読んだのが初めてに近かったのもあったと思うけど見事に騙された。それ以来叙述トリック作品はミステリ物で好きなジャンル。
本作品の最後の一文は一ミステリ物として狡い気もするけど、一小説の最後の一文としては美しいので評価に困るところ。