(012)夜のピクニック

夜のピクニック (新潮文庫)

夜のピクニック (新潮文庫)

以前にも読んだことがあるのだけど、六番目の小夜子を読んだ流れで再読。相変わらず面白かった。
友人達に秘密を抱えた主人公の男女が通う高校には伝統行事である夜間歩行があり、女主人公はそこで「ある賭け」をしようと考えていた…。というあらすじを書くと恋愛小説っぽいけど特別そういうわけでもなく、むしろ青春群像劇というか。恩田陸は学生時代を描くのが非常に巧い作家だなと思う。学生を遠く離れた現在読んでもこういうことを当時思っていた気がしてしまう。学生あるあるネタが豊富。解説文で「永遠の青春小説」というコピーを付けられてたけど納得。個人的に夜間歩行の場面は過去の富士登山を思い出しながら読んでいた。あれも夜はハイになる。今年も友人と登ろうと思ってるけどどうなることか。
因みに作品内で修学旅行先で卒業生が不祥事を起こしたせいで修学旅行が廃止になり夜間歩行が代わりに恒例行事になったと書いてあったが、自分の高校も同じように卒業生の不祥事で修学旅行が廃止されて修学旅行の経験無くて1泊の遠足のみだったので気持ちは非常に分かる(笑)ただ夜間歩行のほうが面白そうだけど。