(133)密室殺人ゲーム王手飛車取り

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社ノベルス)

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社ノベルス)

頭狂人”“044APD”“aXe”“ザンギャ君”“伴道全教授”。奇妙なニックネームをもつ5人がインターネット上で殺人推理ゲームの出題をしあっている。密室、アリバイ崩し、ダイイングメッセージ、犯人当てなどなど。ただし、ここで語られる殺人はすべて、現実に発生していた。出題者の手で実行ずみなのである…。茫然自失のラストまでページをめくる手がとまらない、歌野本格の粋。

「殺したい人間がいるから殺したのではなく、使いたいトリックがあるから殺してみた」

上記の本文からの引用文通りの内容。いってみれば殺人を単なる記号、スパイスとして扱う超非倫理的な内容。「バトルロワイアル」に通ずるものがあるのでダメな人はとことん受け付けないものがあるとは思う。そもそもこれはミステリファン向けの内容といえるのでは。特に「生首にきいてみる?」とかは(笑)ある種バカミス。かなり面白かったので次回作も読む予定。ただ歌野作品は設定もトリックも面白いのに一気に読むと少しだれ気味というか頁をめくる手が止まらないという体験が無い気がする。それがいまいち入り込めない原因なのかなとか思ったり。