(130)球体の蛇

球体の蛇

球体の蛇

1992年秋。17歳だった私・友彦は両親の離婚により、隣の橋塚家に居候していた。主の乙太郎さんと娘のナオ。奥さんと姉娘サヨは7年前、キャンプ場の火事が原因で亡くなっていた。どこか冷たくて強いサヨに私は小さい頃から憧れていた。そして、彼女が死んだ本当の理由も、誰にも言えずに胸に仕舞い込んだままでいる。
乙太郎さんの手伝いとして白蟻駆除に行った屋敷で、私は死んだサヨによく似た女性に出会う。彼女に激しく惹かれた私は、夜ごとその屋敷の床下に潜り込み、老主人と彼女の情事を盗み聞きするようになる。しかしある晩、思わぬ事態が私を待ち受けていた……。
狡い嘘、幼い偽善、決して取り返すことの出来ないあやまち。矛盾と葛藤を抱えながら成長する少年を描き、青春のきらめきと痛み、そして人生の光と陰をも浮き彫りにした、極上の物語。
http://www.kadokawa.co.jp/sp/200911-02/

終盤までが米澤穂信の「ボトルネック」で結末が東野圭吾の「秘密」みたいな。そこそこ面白かったけど少し中途半端な印象。なにより道尾作品ならでは超絶どんでん返しがなかったのは残念。でもある種救いがあるというのはそれだけでよいのかもしれない。前述した2作品が物語の結末としてかなり特殊なんだよな(笑)