(128)愚者のエンドロール

愚者のエンドロール (角川文庫)

愚者のエンドロール (角川文庫)

シリーズ第2弾。アントニー・バークリーの『毒入りチョコレート事件』へのオマージュ作品。
高校1年目の夏休みの終盤、古典部の面々は、2年F組の生徒が文化祭の出展に向けて自主制作したというミステリー映画の試写会へと招かれる。しかしその映画は、脚本家の体調不良で話が進まなくなってしまったことで、結末が描かれないまま尻切れトンボで終わる未完のものだった。
古典部は2年F組の入須冬実から、映画の犯人役を探し当てる「探偵役」を依頼される。映画の結末が気になるえるの一言で、古典部はオブザーバーとして、2年F組から志願した3人の「探偵役」の推理を検証していくことになる。最初は乗り気では無かった奉太郎だが、入須に自身の資質を認められ本格的に推理に乗り出していく。しかし推理の末に奉太郎は、映画の犯人探しに隠された本当の狙いに気付いていく。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%80%88%E5%8F%A4%E5%85%B8%E9%83%A8%E3%80%89%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA

引き続き古典部シリーズ。アニメも見終わったしトリックなどは全て分かるので自然にアニメとの比較になってしまう。相変わらず面白かったけどこれはアニメのほうが軍配があがるかな。まぁ、どちらが上というのも変な話だろうけど。流石に映像の説明は映像のほうが分かりやすいのはしょうがない。あとは奉太郎の結末に関してはアニメだと「怒りと屈辱」だったけど小説を読む限りだと「諦観」というのが個人的なイメージ。アニメの場合はそのあとの「クドリャフカの順番」へのシークエンスとしてそうしたのかなと思ったが、自分としては小説のほうが実に米澤穂信作品の登場人物の反応らしいなと思った。そして「中村青...」には笑。こういうのは嬉しい。余談だけど密室物で見取り図を載せない作家は結構いるけどあれは小説家として全てを文章で説明したいという拘りなんだろうか。正直不要な拘りだと思う。