(123)すべてがFになる

すべてがFになる (講談社文庫)

すべてがFになる (講談社文庫)

孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。

理系ミステリーというかコンピューターの仕組みを利用したトリック(むしろタイトルは特定の職種の方にとってはそのまんまともいえる)が本作の売りなのかもしれないが、個人的にはそれらの点にはあまり惹かれなかった。むしろ今まで登場していなかった登場人物を違和感なく参加させるトリックが一番驚いた。その手があったかと。ただネタバレ的な疑問というか不満としては一度真賀田四季の死体を確認をしたときに間違いなく真賀田四季だと断言する記述があったように思ったんだけどそれはフェアなのか?他にも色々気になるところがあったように思えたけどメイントリックで十分元は取れたかなと。余談だけど作者の授業を受講している生徒は犀川と西之園のラブロマンスをどのような気分で読んでいたんだろうかと下世話ながら考えてしまった...。