(077)カササギの四季

カササギたちの四季

カササギたちの四季

開店して2年。店員は2人。「リサイクルショップ・カササギ」は、赤字経営を2年継続中の、ちいさな店だ。店長の華沙々木は、謎めいた事件があると、商売そっちのけで首を突っ込みたがるし、副店長の日暮は、売り物にならないようなガラクタを高く買い取らされてばかり。でも、しょっちゅう入り浸っている中学生の菜美は、居心地がいいのか、なかなか帰ろうとしない──。
http://www.kobunsha.com/special/michio/kasasagi/plot/index.html#pt2

個人的に意外な一冊。道尾秀介作品は過去に「向日葵の咲かない夏」だけは読んでて面白かったんだけど、結末としてはあまり救いようのない結末だったので終始こういう作品なのかと思ってて、少し他作品を読むのを躊躇っていたのだけど、書評で爽やかな作品とか書かれてたので試しに読んでみたら。確かに爽やかで逆に戸惑う。基本的な流れとしては四季ごとの謎に対して、ミスリードに引っかかる探偵役の華沙々木の迷推理後に真探偵の日暮が真相を解決するという形のほのぼのミステリー短編。個人的にはそれほど面白かったわけでないけど「向日葵の〜」が圧倒的な叙述トリックだったので色々書けるんだなぁとは思った。ドラマ化したら映えそうな作品ではある。これを期に道尾作品を連続で読もうと思っているところ。