(070)ISOLA―十三番目の人格(ペルソナ)

ISOLA―十三番目の人格(ペルソナ)

ISOLA―十三番目の人格(ペルソナ)

人の心を読む力を持つ加茂由香里は、阪神・淡路大震災のボランティアに参加した時、12の人格を抱える少女・森谷千尋に出会った。ところが、彼女は震災後、「ISOLA」という凶悪な13番目の人格が誕生していた。ボランティアメンバーの青木から彼女を紹介された由香里は自分の手に余る事態のため、晨光学院高等学校の常勤の臨床心理士である野村浩子に委ねることにした。その後、千尋に暴行を加えていた叔父の森谷竜郎は、謎の不審死を遂げる。街では彼女に関わった人間は不審な死を遂げる事件が相次いでいた。由香里は「ISOLA」の謎を探る内に震災中に幽体離脱の臨床実験を行い死亡した高野弥生の関係者・真部和彦に辿り着く。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E4%B8%89%E7%95%AA%E7%9B%AE%E3%81%AE%E4%BA%BA%E6%A0%BC_ISOLA

多重人格ネタって一時期に比べると減ったな。というのをこれを読んで気付いた。多重人格に限らず作品の完成の1年前に発生した阪神大震災が発生した地域を舞台として使用するなどかなり時事的な内容が多いので同時代に読むと面白かっただろうなと思う。と書くと今読むとそれほど面白くないような説明になりそうだけどそういうわけではなく。十分楽しめた。ただ、過去に読んだ貴志祐介作品の中では小粒のほうかなとも思ってしまったのも事実。キャリア初期だから当然かもしれないけど。久々に多重人格ネタを読んで叙述トリックで上手く使えそうと思ったけどミステリでは悪手なのかな。ちなみにwikiを見るとネタバレが多いので見るのは勧めません。