(061-062)新世界より

新世界より (上)

新世界より (上)

新世界より (下)

新世界より (下)

渡辺早季は、閉鎖的だが穏やかな田舎町「神栖66町」で幸福に少女時代をおくった。ある日、町の外へ同級生たちと出かけて偶然、小型図書館端末ロボット「ミノシロモドキ」と出会う。質問することにより21世紀前半の超能力者誕生から非能力者との敵対、その抗争から能力者の勝利と文明の崩壊、その後の暗黒時代、町の管理支配の実態といった禁断の知識を知ってしまう。その直後、バケネズミ同士の戦争に巻き込まれ、命からがら町に戻るがしだいに恐ろしいことが起き始める。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%82%88%E3%82%8A

悪の教典」に引き続き貴志祐介作品の2冊目。非常に面白かった。あの世界観、設定が全て。最初から最後まで大きな破綻も無くまとめあげたのは凄い。但し世界観が一番の醍醐味ともいえる反面、物語の展開自体はそこまで突飛なものでなかったかもしれない。(つまらないわけではないが)バケネズミの巣を逃げ回るシーンでは昔に読んだ恩田陸の「上と下」の脳内イメージを重ねつつ読んでいた。あれもたしか洞窟内の話がメインだったような。総ページ数が1000ページ以上ということで長い。ただ本作品を書ききる為には適切な量ともいえるのでしょうがないといえばしょうがない。問題は読み方。自分は2日で読了したのだけど、詰め込み過ぎて楽しめない箇所もいくつかあったので多分日数を掛けて読み込んだほうが本作品には適切だと思う。関係ないけど読んでる途中でうたた寝したら悪夢を見た。それも2回。ていうか調べたらアニメ化することを知った。とりあえず見てみるとは思うけど、如何に上手くカットするか重要じゃないかと予想。2作を読んだ限りの貴志祐介という作家の感想としてはいい意味で大衆作家なのかと思った。勝手なイメージとしては折原一がたまに見せるサービス精神に近いものをこの作者には感じる。あまりいないと思うけど...。とりあえず面白かったのでもう数作読もうかと思ってる。