(054)粘膜人間

粘膜人間 (角川ホラー文庫)

粘膜人間 (角川ホラー文庫)

「雷太を殺そう」という物騒な一文から始まる本作。2人の兄弟は後妻の連れ子である雷太から暴力に悩まされていた。雷太は11歳ながら190cmを越える巨漢で腕力もそれに見合った化物じみたもので兄弟は全く太刀打ち出来なかった。その為兄弟は村の外れに住んでいる河童に雷太殺しの依頼を行うが…。
ミステリ小説というか怪奇小説というか。あらすじを書いても本作の異様さを伝えるのは難しい。表題に付いている「粘膜」という言葉こそがその雰囲気を伝えるのにふさわしいのかもしれない。結末が寸足らずだったり、物語としての重みはそれほど無いかもしれないが、気持ち悪さを伴いながらも一気に読破してしまった。