(038)乳と卵
- 作者: 川上未映子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/02/22
- メディア: 単行本
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ずっと川上弘美と混同していて読んだ気になっていたことに最近気付き、川上未映子作品を今回初めて読みました。最初は読点の入れ方が特徴的で正直読みにくかった。口語体というか脳内で読むより実際に口に出したほうが読みやすい。文体が特徴的過ぎるのは個人的にはあまり好きじゃなくて、それは本に限った話でもなく、例えばCDの歌詞カードも歌詞の文字自体がデザインになってたりするのも同様に好きじゃなかったりする。なので前半は合わないかと思いながら読んでたけど後半は文体にも慣れてきたのと後半の親子の感情が爆発する箇所が即座にイメージとして浮かぶほど鮮烈で読後感は良かった。もう一つの短編も中々残酷で良かったので結果満足。それにしても乳房や卵子など女性ならではの悩みを読んでいると本作に限らず常に居心地の悪さを感じてしまうな。