(034)真犯人

真犯人 (講談社文庫)

真犯人 (講談社文庫)

「家に電話したけどだれも出ない。スーザンの両親のところにいるのかもしれない。ああ、まったく嫌な仕事だな。こんなことやりたくねえよ。何がメリー・クリスマスだ。俺が訪ねて行くと、相手はへなへなになる。そいつの人生をめちゃくちゃにするようなことを俺が言うからだ。」
「あなたはだれの人生もめちゃめちゃになんかしてないわ。」
「そうか。それじゃ覚悟してくれよ。これからそうするんだから。」

非常に読み応えはあったのだけど、とにかく読み疲れた!読破時間が普通の日本ミステリの3倍ぐらいかかったと思う。毎回書いてるように海外作品を読むのは個人的にはハード。巻頭にある人物表が無いと把握が完全に無理。むしろ各章の前に「こいつ死亡した」、「実は○○の子供」とか展開に合わせて変更した人物表を載せて欲しいぐらい。
有名な検屍官シリーズの4作目らしいのだけど初めて読んだ。評判どおり面白かったです。普通のミステリだったら「検屍官の見立てだと、死亡推定時間は〜」ぐらいの描写しかないのだけど、本作だとその検屍官がメインということでその仕事内容が詳細に書かれて中々興味深かった。ていうか検視って解剖のことだけだと思ってたら、現場検証も含むんですね。犯人のプロファイリングの第1質問でいきなり「白人か黒人か」って聞いてて驚き。そんなに重要なのか。
真犯人に関しては唐突な感じもしたけど、フェアアンフェアとかいう話ではないので別に良いかなと。むしろ黒幕に関しては何で予想出来なかったの悔やむレベル。読んでて「レッドドラゴン」や「ハンニバル」を思い出したんだけどアメリカのミステリということで似ているところがあるんだろうか。他の検屍官シリーズを2,3冊ぐらいは読んでみたいけど流石に連続は疲れるからしばらく後回しかな...。