(040)マボロシの鳥

マボロシの鳥

マボロシの鳥

友人と旅行に行くときはよく録りだめした爆笑問題のラジオ聴きながら行くことがあり、その中で本に対する想いや書評も聴いていたので気にはなって本作を読んでみた。小説というより童話に近いテイスト。展開や構成としてはいくつか好きなものはあったけど、正直結末としては弱い。物語と書いたというよりは太田光イデオロギーを投影させる手段としての小説なので、物語としての強度はあまり求められていないように思えた。それが意図的なものか作者の未熟さなのかは分からないが。すべて短編または中短編という長さで文体も全て異なっていて、処女作品というか実験的な作品という気がする。将来的には色々な作品が書けるよりは、その中で最適な文体を選択した一貫性のある作品を読んでみたい気がする。