(023-024)のぼうの城

のぼうの城 上 (小学館文庫)

のぼうの城 上 (小学館文庫)

のぼうの城 (下) (小学館文庫)

のぼうの城 (下) (小学館文庫)

豊臣秀吉の関東平定での忍城の攻防戦をメインにした作品。今頃読んでいるのかよという感じもありますが、基本近所の小さい図書館頼りなので旬ものは弱いです。
これだけマイナーな戦で短編では無く中長編でまとめたというのは驚き。
恐らく司馬作品を初めとした80年〜90年代の歴史小説を至高だと考えている人は最近の歴史小説に手を伸ばさない人も多いんじゃないかと思うけど、問題なく面白いです。旧来の歴史小説と現代小説の中間というイメージ。だから読みやすく沢山の人が読んでいるのだろうけど、そこから歴史知識が深くなるタイプの小説では無い気がする。とはいえ別に小説がデータバンクである必要は無いのだから良いとは思うけど。現代の歴史小説って感じ。
それにしても最近ミステリ小説を読むことが多かったので、いわゆるオチが先に分かっている歴史小説というジャンルはミステリ小説と真逆だなと思う。というより大抵の小説は最後の展開こそが一番盛り上がるものだから、歴史小説は小説というジャンルの中でも特異なんじゃないかと改めて思う。