(056-057)羊たちの沈黙

羊たちの沈黙(上) (新潮文庫)

羊たちの沈黙(上) (新潮文庫)

羊たちの沈黙(下) (新潮文庫)

羊たちの沈黙(下) (新潮文庫)

レクターシリーズの2作目。今回からクラリススターリングというFBI研究生の女性が主役として登場する。アメリカのある地域で連続殺人が発生。その猟奇的な殺人方法に因み、その犯人はバッファロー・ビルと呼ばれていた。そのバッファロー・ビルの犯人像を絞るため、クラリスは上司であり前作の主人公の一人であるクロフォードからレクター博士の元を訪れるように依頼する。そのレクター博士とは数年前に大量殺害、そして人肉食の疑いで逮捕中の凶悪犯罪者であった…。
個人的な読書遍歴としてはハンニバル(3作目)→レッドドラゴン(1作目)→羊たちの沈黙(2作目)という少し変な読み方になっているが、問題なく楽しく読めた。(勿論順番通りに読むのが一番良いと思うけど)それにしても3作通して段々とクロフォードの体調が悪くなっていくのが不憫でならない。3作の中では恐らく本作が一番有名な作品だと思うけど、他の2作のほうが個人的には展開の巧みさだったり、犯人の狂気度のグレードが高いように思えた。とはいっても全作品とも一定の水準以上なのであくまでもその中でという話であり本作品の評価が低いわけではない。むしろ一番読みやすいのかもしれない。先にハンニバルを読んだことで多少先の展開が読めてしまったのが痛かったか。ちなみに既読の3作ではレクター博士無双してるハンニバルが一番好み。というより海外ミステリで一番好き。この作品を越えるサイコサスペンスミステリーがあるなら是非読みたい。最後の生きたまま○○を食べるシーンとか相当。ハンニバル・ライジングは読むか迷い中。